平成29年度事業概要
◆事業概要
平成27年度に実施した「次世代自動車エキスパート養成教育プログラム開発事業」に於いて、長崎では「EV&ITSプロジェクト」によりEV&ITSが普及している。そこで、地域特性を生かして、EV&ITSに対応した整備士を養成するため、EV関連設備やITS技術を取り入れた学習ユニットを開発した。
兵庫では、「燃料電池自動車普及促進ビジョン」に基づき日本初のFCV水素ステーションが作られ、FCVの普及を産学官連携して促進している。そこで、FCVや水素の知識を持った整備士を養成するため、クリーンエネルギーの知識を取り入れた学習ユニットの開発を行った。
平成28年度は、平成27年度に加え、沖縄、福島において、開発・実証を進め、地域特性を生かしつつ、より汎用性のある「次世代自動車エキスパート養成教育プログラム」を「オーダーメード型教育プログラム」として開発した。
沖縄の宮古島では「地域新エネルギー・省エネルギービジョン」により、EV・小型モビリティなどの次世代自動車が普及しつつある。これらに対応した整備士を養成するため、PHEV車や小型モビリティの構造・整備技術に関する学習ユニットを開発・実証した。
福島の会津若松では「再生可能エネルギー推進ビジョン」により、電気自動車を活用した次世代電力ネットワークの取組を進めており、これらに対応した整備士を養成するため、PHEV車や次世代電源ネットワーク社会に対応した非常用電源(V2H)の構造や整備技術に関する学習ユニットを開発・実証した。
このように地域特性に応じた「オーダーメード型の教育プログラム」の開発を進めるとともに、産学官の協力を得て開発したカリキュラムの有効性を実証講座で検証・評価することにより、教材や指導手順・方法等の具体的なスキルについても一定の成果を得た。
これまでの取組を継続・発展・充実させる平成29年度の取組として、
①汎用性を高めるための同地域の他市での実施
平成28年度に福島県の会津若松市で実証講座に40名受講者を集めて実施した。平成29年度においては、同じ地域特性を持つ、福島県内において、より人口が多い郡山市を中心に地域実証講座を実施する(郡山市人口:約33.8万人、会津若松市人口:約12.6万人)。
沖縄県では、昨年度は宮古島で20名の受講者を集めて実施した。福島県同様に、同じ地域特性を持ち、人口がより多い沖縄県本土で実証を実施する。
なお、現時点においては那覇市又は浦添市で実施する計画である。(宮古島人口:約5.4万人、沖縄本土:(那覇市:約31.5万人、沖縄市:約13.4万人、うるま市:約11.8万人、浦添市:約11万人、宜野湾市:約9.2人)
②改善実証講座の実施
平成28年度に明らかになった次の課題について、改善を図っていく。
課題①:受講者のレベル差が大きい。
<改善策>基礎コースと応用コースを設け、能力ニーズに応じた講座を実施 する。
課題②:指導時間が短いため詰め込み授業となる
<改善策>1コマの時間を長くし、受講者との対話型授業を目指す。
課題③:委託終了後の継続性が必要である。
<改善策>自動車整備振興会と共催で実施する。
③新たな動向への対応:「自動運転に関する教育プログラムの開発」
ITSの分野の技術進歩は急速で、特に自動運転に関する技術は、実用化の段階に入っている。
これらの状況を鑑み、すでにITS関する教育プログラムは作成済みではあるが、本事業委員の意見から、自動運転に関する整備技術を新たに加える必要が生じており、自動運転教育プログラムを開発する。