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福島実証講座の実施と評価

◆福島実証講座のコマシラバス

実証講座のコマシラバス

（１）全体概要

系	自動車系	シラバス（概要）
科	自動車整備等	エネルギー制約の高まりや地球温暖化対策の観点から、エネルギー効率やＣＯ2排出量に優れた性能をもつ、プラグイン・ハイブリッド車（ＰＨＶ）、電気自動車（ＥＶ）、超小型電気自動車（スマートＥＶ）、燃料電池車（ＦＣＶ）などの次世代自動車の普及に向けた先進的な取り組みが、経済産業省を中心に地方自治体（都道府県から市町村町レベル）に広がってきている。これらの次世代自動車には、エネルギー源として電気や水素などが使用され、動力源としてモーターを使用し、それらを最先端の通信技術で結んでいる。これらの技術の正しい知識を持つことは、適切な取り扱いや、安全な整備作業を行う上で欠かすことが出来ない。また次世代電力ネットワーク社会に対応した供給電源（Ｖ2Ｈ）の構造や取り扱いの知識の習得が重要になる。本講座は整備士が次世代自動車の構造や最新の技術について新たに学び直すための教育プログラムとして、その構造や技術を理解するとともに、次世代自動車及びその周辺の最新の技術を理解することを目的とする。目標とスキル ①次世代自動車を使用した最新の技術の必要性の説明ができる。②次世代自動車と次世代電力ネットワークに必要な供給電源（Ｖ2Ｈ）の技術の特徴を説明できる。 ③次世代自動車及び次世代供給電源（Ｖ2Ｈ）の安全で便利な取り扱いについて説明できる。
年度	平成28年度
学年
期
教科名	自動車工学
科目名	次世代自動車エキスパート概論
単位	1
履修時間	10
回数	10
必修・選択
省庁分類
授業形態	講義・実習	評価方法
作成者	福島ＷＧ委員会	筆記試験100点満点　合格点60点以上
教科書	オリジナルテキスト	筆記試験100点満点　合格点60点以上

（２）実証講座詳１コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
1 （1コマ）	次世代自動車と自動車社会を取り巻く新技術について	1.シラバスとの関係	各自治体の環境・エネルギーに対する取り組みとして、次世代自動車がどのような役割を果たし、今後どのように活用されていくのか、また次世代自動車を使用した新技術がどのようなものなのか特徴を学び、その上で将来の次世代自動車について考えさせる。	オリジナル・テキスト
		2.コマ主題	次世代自動車と自動車社会を取り巻く新技術について
		3.コマ主題細目	①次世代自動車普及の背景 ②次世代自動車概要 ③各自治体の取り組みと次世代自動車 ④未来の自動車社会と次世代自動車
		4.コマ主題細目深度	①エネルギー資源の問題や地球温暖化などの環境問題、自動車から排出される有毒ガスなど、自動車分野の置かれた現状を確認し、次世代自動車の必要性を考える。 ②これから投入される次世代自動車の技術動向に触れ、今の知識だけではこれからの知識が不足していることを考えさせる。 ③各自治体の取り組みを理解し、次世代自動車がどのように関わっていくのかを考えさせる。 ④次世代自動車の抱える課題や、インフラの現状を踏まえ、将来の自動車社会を予測させる。
		5.次コマとの関係	次世代自動車の概要を学んだあと、主要技術であるモーターの知識を学ぶことにより、次世代自動車にモーターが必要とされる技術であることを理解させる。

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（３）実証講座詳２コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
2 （1コマ）	EV車のモーター技術	1.シラバスとの関係	電気自動車や燃料電池車などの次世代自動車の動力源にかかせないモーターについて、構造、機能、役割を学び、その規格についても理解させる。	オリジナル・テキストモーター比較（オリジナルモーター模型）
		2.コマ主題	モーターの種類、特徴と制御技術
		3.コマ主題細目	①直流式ＤＣモーター ②交流式ＡＣモーター（同期モーター） ③インバーターの役割と重要性 ④モーターの冷却システム ⑤インホイールモーター
		4.コマ主題細目深度	①これまで電気自動車用モーターとして、低コストかつ簡易なDCモーターの構造、機能について理解する。 ②高度な制御が可能となるACモーターの技術を知ることにより、次世代自動車の主流となるモーターの構造、性能を理解させる。 ③ACモーターを使用するにあたり必要となる、インバーターの役割と重要性について理解する。 ④モーターの冷却方法の違いや、構造、機能、システムについて理解する。 ⑤モーターの配置による違い（インホイールモーターとダイレクトドライブ方式）などを理解する。
		5.次コマとの関係	電気自動車のエネルギーと動力について知識を習得したうえで、車両での充電制御がどのようにして行われているのか理解を深める。

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（４）実証講座詳３コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
3 （1コマ）	EV車の充電技術	1.シラバスとの関係	次世代自動車の充電について、家庭用普通充電から急速充電について、規格や仕様、適切な管理、運用を理解すると共に、各充電装置についても理解する。	オリジナル・テキスト外部故障診断機（Ｇスキャン2）
		2.コマ主題	ＥＶ、ＰＨＶの充電規格と充電方法及び設備
		3.コマ主題細目	①各種充電規格の違い、性能比較 ②EV普通充電設備の考え方（単相AC200V・100V用） ③EV急速充電設備の考え方（三相200V） ④充電時の注意事項及び安全管理
		4.コマ主題細目深度	①各種充電方法の特徴、性能を比較し、それぞれの規格の違いと考え方を理解させる。 ②普通充電設備について、仕様、性能を理解し、今後の課題や将来性について理解させる。　 ③急速充電設備について、仕様、性能を理解し、今後の課題や将来性について理解させる。 ④充電時の注意事項を理解させて、安全な作業方法を習得させる。
		5.次コマとの関係	次世代自動車が電気エネルギーを使用し、そのエネルギーでモーターを動かすのに、どのような通信技術が使用されているのかを学ぶ。

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（５）実証講座詳４コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
4 （1コマ）	次世代自動車の整備時の安全作業	1.シラバスとの関係	次世代自動車の車両の構造や高圧部品のレイアウトを理解させ、整備作業時の感電事故対策を習得させる。	オリジナル・ストテキスケルトン・リーフ車（現車リース教材車両）安全工具安全手袋
		2.コマ主題	（実車にて）ＥＶ整備作業時の安全マニュアル
		3.コマ主題細目	①次世代自動車での駆動用蓄電池レイアウト、衝突安全規格 ②次世代自動車の特異構造、高圧部品のレイアウト確認、各法規要件 ③脱着作業時のマニュアル
		4.コマ主題細目深度	①衝突安全に対する国土交通省の指針を踏まえながら、次世代自動車はどのように電池の搭載設計がされているのかを実車で確認させる。 ②蓄電池だけではなく、そこから繋がる回路を目視できる限り追いかけ、次世代自動車特有の部品を把握、整備作業時に注意すべき部品を確認させる。 ③感電事故防止のため、どのようなステップで脱着作業を行うか手順を習得させる。
		5.次コマとの関係	次世代自動車の整備における安全作業の必要性を理解した後、その周辺技術であるＰＨＥＶの技術について知識を深める。

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（６）実証講座詳５コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
5 （1コマ）	プリウスPHEVの構造	1.シラバスとの関係	プラグインハイブリッドＥＶの特徴・作動・制御の技術を学びハイブリッド車との違いを理解させる。	オリジナル・テキストプリウス車（現車レンタル車両）
		2.コマ主題	プラアグインハイブリッドＥＶの構造理解
		3.コマ主題細目	①プラグインハイブリッドEVの概要・特徴（トヨタ　THS-ⅡPleg-in） ②充電操作時の注意事項・禁止事項 ③高電圧部位の配置と配線 ④緊急時の対応
		4.コマ主題細目深度	①プラグインハイブリッドＥＶ（トヨタTHS-ⅡPleg-in）の基本的な構造を理解する。 ②安全のため、充電時の操作の注意事項・禁止事項について理解する。 ③プラグインハイブリッドＥＶの髙電圧部位の構造・特徴　及び主要構成部品レイアウト、各装置の機能役割を理解する。 ④緊急時の対応（ハイブリッドシステムの停止）を理解する。
		5.次コマとの関係	プラグインハイブリッドＥＶの構造・機能・システムを理解して、実車での整備実習へと繋げる。

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（７）実証講座詳６コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
6 （1コマ）	プリウスPHEVの整備技術	1.シラバスとの関係	プラグインハイブリッドＥＶの整備時の安全作業の習得と、故障診断技術を習得し、その手順を理解する。	オリジナル・テキストプリウス車（現車レンタル車両）
		2.コマ主題	プラグインハイブリッドＥＶの整備技術（安全作業）
		3.コマ主題細目	①プラグインハイブリッドＥＶの各部品システムのレイアウト ②ＰＨＥＶ特有の構造（充電方法・充電時の注意） ③ハイブリッドシステムの停止方法（手順） ④緊急時の対応・注意事項
		4.コマ主題細目深度	①プラグインハイブリッドＥＶの各部品システムのレイアウトを実車で確認し、名称・役割についても理解する。 ②ＰＨＥＶ特有の構造について、実車で確認し、整備作業上必要となる知識を習得する。 ③高電圧系部品の配線を理解し、実車にて主要部品の配　線の確認や、充電装置の扱いや注意事項について理解する。 ④緊急時の注意事項、特に安全作業について実車にてその手順を理解し危険防止作業を習得させる。
		5.次コマとの関係	次世代自動車のＰＨＥＶ（トヨタ製）の構造を理解した上で、４ＷＤＰＨＥＶ（三菱製）について、その構造・特徴を理解する。

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（8）実証講座詳7コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
7 （1コマ）	三菱アウトランダーＰＨＥＶの構造	1.シラバスとの関係	プラグインハイブリッドＥＶの特徴・作動・制御の技術を学びハイブリッド車との違いを理解させる。	オリジナル・テキスト三菱アウトランダーＰＨＥＶ（レンタル車）
		2.コマ主題	プラグインハイブリッドＥＶの構造理解
		3.コマ主題細目	①プラグインハイブリッドＥＶの概要・特徴（三菱アウトランダーＰＨＥＶ） ②ＰＨＥＶシステム ③エアコン・ヒーター ④エンジンの点検整備、燃料に関する注意事項
		4.コマ主題細目深度	①プラグインハイブリッドＥＶの構造・特徴・主要構成部品レイアウト、各装置の機能役割を理解する。 ②ＰＨＥＶシステム（走行モード・システム制御、前後モーター、バッテリー）の構造・機能を理解する。 ③エアコン（電動Ａ/Ｃコンプレッサー・ヒーターシステムの構造・作動を理解する。 ④エンジンの点検整備（ＣＯ、ＨＣ濃度の測定、アイドル継続モード、燃料補給に関する注意事項）を理解する。
		5.次コマとの関係	プラグインハイブリッドＥＶの構造・機能・システムを理解して、実車での整備実習へと繋げる。

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（９）実証講座詳８コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
8 （1コマ）	三菱アウトランダーＰＨＥＶの整備技術	1.シラバスとの関係	プラグインハイブリッドＥＶの整備時の安全作業の習得と、故障診断技術を習得し、その手順を理解する。	オリジナル・テキスト三菱アウトランダーＰＨＥＶ（レンタル車）
		2.コマ主題	プラグインハイブリッドＥＶの整備技術（安全作業）
		3.コマ主題細目	①プラグインハイブリッドＥＶの各部品システムのレイアウト ②ＰＨＥＶ特有の構造 ③故障診断の通信技術 ④点検整備上の注意事項
		4.コマ主題細目深度	①プラグインハイブリッドＥＶの各部品システムのレイアウトを実車で確認し、名称・役割についても理解する。 ②ＰＨＥＶ特有の構造について、実車で確認し、整備　業上必要となる知識を習得する。 ③故障診断でのコンピュータ通信技術を理解し、実車にて実際にコンピュータと通信し、故障診断コードの表示と内容について理解する。 ④点検整備上の注意事項、特に安全作業について実車にてその手順を理解し危険防止作業を習得させる。
		5.次コマとの関係	次世代自動車の電気自動車の構造を理解した上で、今後普及が期待される燃料電池車について、まずその燃料である水素を認識させる。

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（10）実証講座詳９コマ目詳細

コマシラバス
50分/コマ	コマのテーマ	項　目	内　容	教材・教具
9 （1コマ）	Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の取り扱い	1.シラバスとの関係	Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の特徴・作動・制御の技術を学び次世代自動車との連携機能・取り扱い方法を理解させる。	オリジナル・テキスト）
		2.コマ主題	Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の構造・特徴理解。
		3.コマ主題細目	①Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）のシステムの概要・特徴 ②Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の給電の仕組み ③Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の特徴（メリット） ④Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の取り扱い
		4.コマ主題細目深度	①Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）のシステムの知識を習得し、次世代電力ネットワークでの役割を理解する。 ②Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）を使用して、電気自動　車から家屋、家屋から電気自動車への給電及び充電の仕組みを理解する。 ③Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の特徴（メリット）として、節電貢献、停電時の非常用電源、電気自動車への短時間充電などがあり、次世代自動車との連携機能を理解する。 ④Ｖ2Ｈ（ＥＶパワーステーション）の取り扱いを習得し、次世代自動車の整備技術と併用できるようにし、作業の効率化を図る。
		5.次コマとの関係	履修判定試験及びアンケート記入

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（11）実証講座詳10コマ目詳細

10 （1コマ）	履修判定試験アンケート記入	1.シラバスとの関係
		2.コマ主題
		3.コマ主題細目	履修判定試験
		4.コマ主題細目深度
		5.次コマとの関係

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